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福井県おおい町の小学校です。 日々の様子をお伝えします。

2010年6月1日火曜日

 「石は石で磨く」

   先週は授業参観,学級懇談会,資源回収,プール掃除,校地や通学路の除草作業と盛りだくさんの学校,そしてPTAの行事に御参加,御協力いただきまして本当にありがとうございました。授業参観では,子供たちはおうちの人に学校に来てもらえるので大喜びでした。また,PTAの作業で学校の環境が見違えるほどきれいになりました。本当に感謝申し上げます。

 5年生の理科に,上流の大きな岩やゴツゴツした石が川の水に流されていくうちに,他の石や川底の岩にぶつかって角がとれたり,削られたりして,だんだん丸くなっていく「流れる水のはたらき」という勉強があります。

 学校では,子供同士が遊びのルールや順番の取りあいなど,些細なことでけんかになることがあります。家庭でも兄弟姉妹で,親の愛情の奪い合いやチャンネル争いで兄弟げんかになることがあると思います。これは,子供同士が互いの言い分を通そうとするからなのです。大人から見れば,けんかをすることは決していいことではありません。でも,子供にとって成長という視点で見れば,けんかは大切な要素なのです。

 なぜならば,子供はけんかになるまでに,ある程度我慢したり,あるいはけんかにならない方法はないかと考えたりする努力を,子供なりにしているはずです。また,けんかをしてしまった後でも,どうやって仲直りをしようかと考えるはずです。相手の気持ちと自分の気持ちとの折り合いをつけながら,子供は磨かれていくのです。だから,けんかが始まった時,大人はしばらくは見守るという心の余裕が,時には(生命を傷つけない,人格を傷つけない,後遺症を残さない限り)必要なことがあります。

 子供同士のぶつかり合いは,石と石のぶつかり合いに似ています。集団生活を送る学校ではお互いで磨き合って丸くなるんです。「石は石で磨く」ということです。磨いて角がとれた丸い石はぶつかっても互いに傷ついたり,割れたりしにくくなります。実際に丸い石をたたいても力が分散されて意外と割れにくいものです。ただし,あまり丸くならないうちに大きな力を加えると割れてしまいます。こうなると取り返しはつきません。少しずつ,少しずつ角を削っていくのです。でも,ぶつからないように,ぶつからないようにと,周りが気を遣いすぎていると角は取れません。そのさじ加減は難しいです。

 学校は勉強をするところです。でも,算数や国語だけが勉強ではありません。子供と子供が集団の中でぶつかり合い,磨きあうことも勉強です。もちろん磨く場が家庭であったり,地域であったりすることもあります。やはり,三位一体(さんみいったい)の教育が大切です。

素敵な絵手紙をいただきました。いつもありがとうございます。