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福井県おおい町の小学校です。 日々の様子をお伝えします。

2013年11月1日金曜日

11月号

たくましく
                                                        
 『散るすすき 寒くなるのが 目に見ゆる』 小林一茶

 佐分利川の土手にそよぐすすきの穂が日に日に散っていきます。日ごとに寒くなり、秋の深まりゆく様子が目に見えるようです。今年は台風が多く発生し、10月中に6つの台風が日本に接近しました。幸いにも本郷小学校校区では大きな被害はなかったようで、ホッとしていますが、授業や行事等の実施に気をもみました。11月は、もっと落ち着いて学習に臨みたいと思っています。

 さて、24日のマラソン大会では、保護者・地域の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございます。お陰さまで、児童たちは相当の頑張りを見せてくれました。ゴール地点手前で待っておりましたら、どの児童も真剣な表情で、最後の力を振り絞って走りぬけていきました。グラウンドで走る練習を積んできたことが、この日に成果として現れたのでしょう。個々の記録が伸びた児童も多かったようです。本校では「かしこく、やさしく、たくましく」を目指す児童像として取り組みを進めています。「たくましさ」を感じる時間となりました。

 先日、昭和女子大の学長をしておられる(『女性の品格』の作者である)坂東眞理子さんの講演を拝聴する機会がありました。平成生まれの学生ばかりになった大学生を見て、基礎的な力が不足していると感じておられるとのことでした。そして、小学生のうちにつけたい力についてお話がありました。

 その1は「体力」が必要と言われました。テレビの前でジャンクフードを食べて、ゴロゴロしている子が多く、歩けない子もふえている。小学校の低学年のうちに体力を養成するチャンスを作る。いろんな機会に歩く・腹式呼吸をする・大きな声で話す・体を動かす・ちゃんと食べることを大事にしなさいと話されました。そして、体力が身についていないと、学習する力も当然身に付かないともおっしゃいました。

 その2は「基礎生活力」を養う。今の子は、お手伝いもせず「勉強だけしなさい」と言われる。時間的な区切りもなく勉強するので、集中力も育たず、うんざりして、勉強が嫌いになる。大人が全てお膳立てをするので、失敗する経験もない。大事にしてもらって当然で、感謝もしない。打たれ弱く、心がひ弱な若い人が増えている。学校だけでなく、家庭や地域の中でもこまめに体を動かし、小さな失敗・挫折と立ち直った経験をさせる。それらを繰り返すことで周囲と折り合いをつける強い心が身につくということでした。

 その3に「学力」。繰り返し学ぶという習慣が身についていない学生が増えている。小・中学校のうちに、興味のあるなしにかかわらず「知らないことを知ろう」「やったことのないことをやってみよう」とする習慣を身につける。基礎的な「読む・書く・計算する」力は、繰り返して身につける。これらは、将来伸びていく基礎となるということでした。


 厳しい内容のお話が続きました。私たちは、これからグローバルに活躍できる社会人となるための基礎の力、たくましくて、意欲に満ちた児童を育てていくことが重要な課題と考えます。
 世の中の人の役に立つ、温かい人間関係を結ぶことのできる人を育てるため、「かしこく・やさしく・たくましい」児童の育成に努めたいと思います。